襖(ふすま)は日本古来より部屋と部屋を仕切る「間仕切り建具」であり、日本独特のものとして発達してきました。
しかし、最近では部屋の仕切りも壁へと代わり、襖(ふすま)の数もおのずと少なくなり、古来よりの襖(ふすま)の意義も変わりつつあります。
本来の襖(ふすま)は、木を組んだ格子状の骨格に和紙の下張りを数回施し、表紙を貼って仕上げます。
特徴としては、まず軽いこと。そして、その空間の雰囲気により表紙を貼り替えて、侘び寂びから豪華な世界までを醸しだす紙一枚の演出が出来ることです。
無地の和紙を貼り、そこに絵や書を書き込むことも可能です。
■襖ふすまの基準サイズ
標準サイズ(基本寸法)は、高:180㎝×幅:90㎝ です。
■五ハ(ごはち)
高さが5尺8寸のもの (高さ176cm)
■五七(ごしち)
高さが5尺7寸のもの (高さ173cm)
■中間(ちゅうま)
高さが3尺以上5尺 迄のもの。(高さ90cm~150cm)
■半襖(はんぶすま)
高さが2尺以上3尺 迄のもの。(高さ60cm~90cm)
■丈長(たけなが)
高さが5尺8寸(高さ176cm)を超える丈長と呼ばれるものも増えています。標準サイズ(基本寸法)は、高:180㎝×幅:90㎝ です。
襖(ふすま)を構成する表紙、縁や引手には数多くの種類があり、組み合わせ次第で、その部屋のもつ趣きに合わせた襖(ふすま)を作り出すことが出来ます。
襖紙には大きく分けると、からかみ文様的なもの、絵画的なもの、細工張り風のもの、無地や無地調のもの、すき模様のものなどがあり、
それぞれ量産品から手漉きされるものまであります。
また、シックハウス対策の襖紙や消臭機能、防炎加工等がついた機能性襖紙もあります。
新鳥の子(普及品)
ふすま紙の中では最も廉価です。下地の透けを防ぐために紙の裏が茶色のものが多く、一般に『茶裏新鳥』と呼ばれます。また、新鳥の子は再生紙のため、手あかや湿気による汚れが目立ちやすいことから、2~3年おきに張り替える方に最適な価格設定になっております。
上新鳥の子(中級品)
鳥の子の普及品で、すべて機械漉きのため比較的低価格です。漉き模様や後加工による様々な図柄があります。略して『上新』と呼ばれています。
織物(普及品)
レーヨン糸(短繊維)が使われた、低価格な織物の襖紙です。近年、皆さんがよく言われる『糸入り』が、中級織物紙からこの普及品に変わってきています。確かに中級織物と比べ値段は安くなっていますが、寿命は短いようです。
鳥の子(高級品)
雁皮・三椏・楮などの靱皮繊維を原料にした手漉きの紙で、美しく長持ちします。上質な鳥の子ほど施工時には下地骨や下張紙に十分な配慮が必要です。